当院に先日ご来院された患者さんで妊婦さんの症例です。
主訴は肩こりからの頭痛でご来院され、検査の結果ヘルペスがわかったという症例についてのお話です。
患者さんの症例
妊娠9ヶ月 女性 30代 肩こりからの頭痛
もともと肩こりがずっとあり、1週間ほど前から急に頭痛がしてきて痛みがなかなか改善しないということでご来院されました。
問診中に色々お話をお伺いすると、肩こりは妊娠前から長年の悩みだそうですが、最近になって頭痛がするようになり、痛み方はピリピリした痛みで肩を押したり、首を曲げたりするとピリッとした痛みが出てくるとのことです。
お話の中で気付いたの頭痛の出方や肩や首の症状が、肩こりや整形外科的な症状とは少し違う感じがありました。
ヘルペスの疑い
そのときに自分の頭の中に浮かんだのは、ヘルペス。
ヘルペスウイルスは、子供の頃にかかった水ぼうそうで感染するウイルスで、体調が良く元気な時には神経のところで免疫によって何も症状を起こしませんが、体力が弱って免疫力が低下すると神経に炎症を起こすというウイルスです。
いわゆる帯状疱疹と言われるヘルペスウイルス感染による神経痛のような痛みです。
日本皮膚科学会のホームページに詳しく載っていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
ヘルペスと帯状疱疹
帯状疱疹のイメージといえば、肋骨周囲に帯状の発疹が出るイメージがありますが、実は全身に出る病気です。
ヘルペスは見た目でも体に変化が起こり、小さな赤い発疹が痛みの箇所にプツプツといくつか出来ることがあります。
発疹の確認
問診でお話をお伺いした後、整形外科的な問題もあるかもしれないがヘルペスの疑いが強いということを伝えしました。
患者さんもヘルペスのことはご存知でしたが、赤い発疹のプツプツしたものがなかったので、気にされていなかったようです。
そこで整形外科的な検査の前に、まずは検査で発疹を注意深く探していきました。
この妊婦さんの場合は、とてもわかりにくい場所に発疹がありました。
発疹は頭にあり、髪の毛が生えている中の方にあったためなかなか見つけにくかったようです。
ヘルペスの注意点
頭の中や首周囲のヘルペスの場合、注意しないといけない点があります。
それは、神経の痛みが強く出たり、症状が長引きやすく、頭痛や首の痛みが慢性化してしまうことがあるので、すぐに紹介状を用意し専門の病院へと行っていただくことにしました。
病院での精密検査の結果、この妊婦さんはその場ですぐに入院となり、1週間ほど入院されることになりました。
出産後退院されて、頭痛も残らず治ったということで、可愛い赤ちゃんを連れて産後の骨盤ケアに来られました。
肩こりだと思っても重大な病気のこともあります
いつもと同じ肩こりだと思っていても、いろいろな病気が隠れていることがあります。
ヘルペスの他にも肩こりと同じような症状を起こす病気をいくつかあげてみます。
・膵炎
・胃がん
・心筋梗塞、狭心症
・大動脈解離
・肝硬変
今回は、肩こり症状を起こす内科的な疾患をいくつかあげてみました。
その他にも内臓からの関連痛は、肩こりを起こすと考えてもらってもいいくらい、実は内臓からの痛みが元になる肩こり症状は多いです。
もちろん、運動不足や姿勢の悪さにより肩こりが出てくることはあります。
つい最近も、肩こりの患者さんで授乳中の方が来院され、やはりヘルペスの疑いがあったので病院を紹介しました。
この方の場合は、ヘルペスではありませんでしたが、ヘルペスの後遺症が残ってしまうと何年も苦しんでいる方がいるのを何人も見ています。
いつもの肩こりだと思っていても、なかなか解消しない場合は病気が隠れているかも知れませんのでご注意ください。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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