腰痛の代表的な症状の一つである坐骨神経痛。
腰痛に悩む方は全国で3000万人にも上るという統計データがあります。
その中で原因の特定できる腰痛の代表とも言えるのが、1/3を占める坐骨神経痛です。
坐骨神経痛の症状には、
・おしりから足に痛みがある
・長い時間立っていると足が痛くなる
・腰を反らすと足に痛みやしびれを感じる
・長時間座っているとお尻の痛みが強くなる
・腰を曲げると痛みが悪化する
など腰の痛みだけでなく、お尻や足に痛みや痺れができます。
そんな坐骨神経痛の中で、デスクワークや日常生活で椅子に座っていると痛みがある方に対して、原因や対処法についてまとめてみました。
椅子に座ると腰や足が痛む、長時間座っていられないといった方のお役に立てると思いますので、ぜひご覧ください。
坐骨神経痛はストレッチで椅子に座るのが楽になる?
坐骨神経痛になると、腰の痛みよりもお尻や足の痛みとしびれで悩む方が多くいらっしゃいます。
坐骨神経は、背骨と骨盤からお尻の筋肉の隙間を通って足につながる大きな神経です。
神経の通り道である背骨のところやお尻の筋肉の間で障害されると、そこから下に痛みやしびれが出てくるようになります。
お尻の筋肉は腰や上半身を支えるコルセットのような働きを持った筋肉で、同じ姿勢が続くことでお尻の筋肉が緊張し、坐骨神経が炎症を起こし、足とお尻に痛みとしびれが出てくるようになります。
座っている姿勢が長くなると、体を支えるためにお尻の筋肉が段々と強く緊張してくるので、その下を通っている坐骨神経を障害し、痛みと痺れが出てきます。
つまり、座っている姿勢でお尻の筋肉が緊張するので、お尻の筋肉をストレッチして緩めることで、楽に座れるようになるということです。
座るとお尻が痛む坐骨神経痛を改善するストレッチ
この前の項目でもお伝えしたように、お尻の筋肉は腰や上半身を支えるコルセットのような働きの筋肉です。
立っている時には、足の筋肉と共に下半身全体で腰や上半身を支えるようになりますが、座った姿勢では足の筋肉をあまり使わず、お尻の筋肉で支えるようになります。
ですので、座っている姿勢では時間と共にお尻の筋肉の緊張が強くなるため、お尻の筋肉をほぐすストレッチが効果的です。
座っている時間が長くなるとしんどい時などは、寝て行う体操やストレッチの方が楽にできますので、今回は寝ながらできるお尻のストレッチをお伝えします。
【右側の坐骨神経痛の場合】
①仰向けに寝ます
②右股関節と膝を90度に曲げます
③左の股関節を中心に、体を大きく捻ります
④右の膝を伸ばしてお尻が伸びるところで20秒ストレッチ
体を大きく回していくイメージで行うと、より効果的にストレッチできます。
一度立ち上がって腰を動かすだけでもお尻の筋肉はほぐれますが、ストレッチを行うことでさらに腰やお尻の筋肉がほぐれやすくなりますのでおすすめです。
坐骨神経痛の痛みには、ふくらはぎと太もも裏のストレッチも効果的
坐骨神経は、腰の背骨と骨盤からお尻の筋肉の隙間を通って足先まで繋がっています。
神経にはいくつか炎症を起こしやすいウィークポイントがあり、①神経が背骨から出てくる部分②途中の狭くなっている部分③枝分かれする部分です。
お尻の痛みが出てくる原因は、②の途中で狭くなっている部分で神経が障害されるからですが、坐骨神経にはもう一つウィークポイントがあります。
それが、③太もも裏にある枝分かれする部分です。
太もも裏で枝分かれした坐骨神経はふくらはぎの筋肉につながります。
太もも裏の筋肉とふくらはぎの筋肉はお尻の筋肉と共に骨盤や上半身を支える働きがあります。
この2つの筋肉が緊張すると、坐骨神経が緊張するため枝分かれする部分に負担がかかり炎症がひどくなります。
ですので、太もも裏とふくらはぎの筋肉をほぐすことで坐骨神経の痛みを楽にすることができるということです。
【右坐骨神経のストレッチ】
①両脚を伸ばして座る
②左脚をあぐらのように曲げる
③右足先を上に向け、両手で膝を押さえる
④腰を伸ばしながら20秒前屈する
ストレッチの際に腰を伸ばしながら前屈することがポイントです。
また③の時に足先を外側や内側に向ける事で、太もも裏の外側や内側を伸ばす事ができます。
坐骨神経痛の痛みが外側にある時には足先を外向けに、内側にある場合は足先を内向けにストレッチすると、より効果的に坐骨神経の緊張をほぐすことができます。
それぞれのストレッチは、できる範囲で行うことで坐骨神経痛の症状が緩和しやすくなります。
また、こまめに姿勢を変えることも坐骨神経痛が楽になりますので、適度な休憩をとりながらお仕事や日常生活をしてみてくださいね。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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