腰が痛くて病院に行ったら椎間板ヘルニアと言われ、症状が悪化してしまわないか心配している方。
以前からヘルニアで腰が痛くて、段々と足も痺れるようになってきた方。
腰痛でお悩みの方にとって、最も代表的なものが椎間板ヘルニアで、統計では3000万人にも上ると言われる腰痛患者の1/3にも上ると言われています。
今回のブログでは、ヘルニアとはどんな状態なのか?この腰の痛みはヘルニア?症状チェックと症状悪化を防ぐポイントになる部位、注意しないといけないヘルニアの症状についてまとめました。
以前から腰痛がある、以前にヘルニアと言われて気にしている方のお役に立てると思いますので、是非ご覧ください。
椎間板ヘルニアの部位とそれぞれの症状
そもそもヘルニアというのは、腰痛や痛みを指す病名ではなく、飛び出す・突出するという意味があります。
ですので椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間にある椎間板という軟骨が飛び出している状態を指します。
他にも、へそヘルニアや鼠径ヘルニア(脱腸)など、いろんなものがあります。
腰椎椎間板ヘルニアの症状には、
・腰痛
・お尻や足の痛み、しびれ
・腰を曲げると痛む
・長時間歩くのがつらい
など、いろいろな症状を訴えることが多いです。
椎間板ヘルニアでは、症状が悪化したら足がしびれてくる方も多くいらっしゃいます。
その原因として挙げられるのが、椎間板が飛び出して神経の通り道が狭くなってしまうことです。
神経の通り道が狭くなる=圧迫されて引っ張られてしまうため、神経に炎症が起こり痛みや痺れがひどくなってくると言われています。
一番障害されやすい坐骨神経は、背骨と骨盤から出る5本の神経が一つになったもので、圧迫される位置により痺れる箇所が違います。
イラストで色分けされているように、それぞれの神経がつながる場所が決まっているため、例えば足の小指が痺れている場合は仙骨、足の親指が痺れている場合は腰椎五番目と、痺れている部分を詳細にチェックすることで、ヘルニアの場所がわかることも多いです。
痛みや症状は椎間板ヘルニアが原因ではないという論文
今までは、腰痛になった時にはじめてMRIなどの画像検査をするので、その時に見つかったヘルニアや変形が原因とされていました。
ところが、椎間板ヘルニア=腰痛ではないというのが、世界的な認識になってきています。
世界腰痛学会で研究発表された論文に、腰の痛みや痺れなどの症状は、椎間板ヘルニアが原因ではないというものがあります。
「椎間板ヘルニア=痛みではない」椎間板ヘルニア受賞論文
★椎間板ヘルニアと診断された重度の腰椎および下肢の痛みを伴う46人の患者と、MRI、健康な被験者によって年齢、性別、職業などが一致する46人の健康な被験者の腰椎椎間板を比較した結果椎間板ヘルニアは76%の症例で確認され、椎間板の変性は85%で確認されました。
出典:http://1.usa.gov/iN3oKG
要約すると、「年齢・性別・職業が同じ場合、腰痛のあるなしに関わらず、多くの方にヘルニアや背骨の変形は同じ割合で確認された」というものです。
腰の痛みの原因は、椎間板ヘルニアではなくお尻や足などの筋肉の動作の不具合により、神経が緊張し腰や足に痛みが出てくるようになります。
もちろんヘルニアが原因の腰痛もありますが、一般的なヘルニアの場合は緊急性はありません。
骨盤の動きに関係する筋肉の緊張から出てくることがあり、
前傾姿勢でお尻の筋肉が緊張する
⇒坐骨神経が圧迫される
⇒この状態で伸ばすことで引っ張られる
⇒神経に炎症が起こる
⇒痛みやしびれ(坐骨神経痛)が出てくる
といった経過をたどり、運動や治療することで回復するものがほとんどです。
症状が悪化すると歩行困難になるタイプの椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアが原因の症状には、気をつけないといけないものがあります。
腰痛はあまりみられませんが特徴的な症状として、ふくらはぎよりもお尻周りの痺れがあったり、動くとおしっこが出そうになるなどがあります。
こういった症状が見られるものを「馬尾症候群」といい、内臓にいく神経が障害されている場合、おしっこが出にくくなるなどの後遺症が残ってしまう場合があるため、注意が必要です。
馬尾症候群を見分けるための、簡単なチェックをお伝えします。
①痛みはないけどお尻周りが痺れる
②残尿感、便が出ない感じがする
③歩くとおしっこが出そうになる
④下腹部に何かしら症状が出る
上記のような症状に当てはまる場合、とにかくすぐ(1日以内に)病院へ行くことをお勧めいたします。
馬尾症候群の場合、2〜3日経過すると回復しにくくなることもあり、排尿障害が後遺症として残ることもあるため注意が必要です。
少しでも普段の腰痛や痺れと違うなと思った時には、病院や当院にご相談ください。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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