前回、オスグッドが重症化して足を曲げるのが痛くて歩くのも辛い小学生の症例をご紹介しました。
オスグッド重症化を防ぐ!見逃せない子供の初期症状を患者さん改善例で解説
オスグッドは、10歳から15歳頃の成長が活発な時期によく見られることから「成長痛」と呼ばれることがあります。
実際には運動による過度な負担が原因で、膝のお皿下の骨に痛みを伴う炎症症状です。
ジャンプしたり走ったりするとオスグッドになりやすいため、病院では安静やサポーターをして運動量を減らすように指示されることが多いです。
サポーターは動きを制限するものですが、運動の際にはズレたりして効果を感じにくいというお悩みをよくお聞きします。
そのお悩みはテーピングで解決します。
テープは体に直接貼るため、ズレることなく体の状態にしっかりと合わせることができるメリットがあり、運動や腫れの出やすい急性期におすすめです。
サポーターをしてもズレてあまり効果を感じないというご相談をいただくことが多いため、今回は、簡単にできるテーピングのコツと貼り方をまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。
※動画は現在編集中です。もう少しお待ちください。
サポーター以上の安心感!スポーツや急性期のオスグッドにテーピングが有効な理由
オスグッドのサポーターには、大きく分けて2つのタイプがあります。
一つは膝のお皿下を押さえて固定するタイプと、もう一つは膝全体を固定するタイプです。
お皿の下を押さえて固定するタイプは、太もも前側の筋肉が引っ張る力をサポーターで押さえることで抑制し、患部の負担を減らす目的があります。細いベルトで固定するため、動く時にズレやすかったりうまく固定できなかったりすることもあります。
膝全体を固定するタイプは、関節を周囲から圧迫して固定することで安定させて、患部の負担を減らす目的があります。膝全体を圧迫するようになるため、急性期や炎症が悪化してしまうと、関節が腫れてくるため締め付けがキツくなり、痛みが強くなったりや動きにくくなったりすることもあります。
それぞれメリットもありますが、スポーツ時や急性期には十分に効果が発揮できないことがあります。
一方でテーピングは、患部の状態に合わせて貼り方を変えられるため、患部に対して直接的な圧力をかけることができます。
また、太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)にかかる負担を軽減し、患部への負担を分散させることができます。
テープの貼り方によって固定力や固定場所を変えられるため、特に痛みが強い場合や、運動中に膝への負担が気になる場合にも、テーピングが有効です。
また、テーピングは筋肉や腱の動きを制限しないため、運動時にも比較的動きやすいです。
デメリットとしては、皮膚に直接貼り付けるためかぶれやすくなったり、剥がすときに皮膚を痛めたりしやすいことがあります。
オスグッドのテーピングを3つのポイントで簡単&効果的に貼る方法
効果的なテーピングには、貼り方も大事です。
オスグッドのテーピングのポイントは3つあります。
①太もも前側の筋肉を柔らかくする
太もも前側の筋肉が硬くなると、お皿下の骨を強く引っ張るため負担が大きくなり、炎症が悪化しやすくなります。
テープによって筋肉を柔らかくすることで引っ張る力を減らすことで、負担を減らす目的があります。
②膝を動かしながら貼る
テープを貼る際には、伸ばす強さと方向が大事です。
膝関節を動かしながら貼ることで、動作に合わせた方向と強さが調整しやすくなります。
③患部を押さえる
オスグッドは、太もも前の筋肉によってお皿下の骨が引っ張られることにより、悪化すると剥離してしまうことがあります。
患部を直接テープで押さえることで、悪化を防ぎます。
これら3つのポイントに注意することで、オスグッドの痛みを改善しやすくなります。
初めてでも分かる!オスグッドテーピングの基本的な巻き方ガイド
それでは、先ほどの3つのポイントを押さえたテープの貼り方をお伝えします。
テープは伸縮性のあるテープを用意してください。
5cm幅のものを5本使います。
・20cm✖️3本
そのうちの1本は5cm残してY字に切り込みを入れます。
・18cm✖️2本
テープは膝を曲げて貼ります。
90度を目安にして、曲げると痛む場合は楽な角度に曲げ方を調整してください。
①20cmのY字テープを、Y字側を膝に向けて、根元を太もも前側に貼ります
②Y字で左右からお皿を包むようにテープを引っ張りながら貼り付けます※テープが伸び切ったのが100としたら80くらいの強さで引っ張ります
③20cmのテープを、お皿下の骨の出っ張りの内側からお皿を包むように引っ張りながら太もも前の外側に貼り付けます④同じように、お皿下の骨の出っ張りの外側からお皿を包むように引っ張りながら太もも前の内側に貼り付けます⑤18cmのテープを、膝を伸ばしてお皿上が真ん中になるように貼り、膝を曲げながらテープを引っ張って貼ります。※テープを引っ張る強さは100で貼り付けます
⑥18cmのテープを、膝を曲げた状態で、お皿下の骨の出っ張りを押さえつけるように貼ります。※テープを引っ張る強さは100で貼り付けます
テープの貼りはじめと貼り終わりは1〜2cmほど引っ張らずに貼ると、剥がれにくくなり、かぶれの予防になります。
テープ痒みがなければ3日ほど持ちますが、貼り替える方が強い固定力を保てます。
また、かぶれやすい方は、運動後にすぐに外してください。
皮膚を傷めない外し方も、別動画にありますので、そちらも参考にご覧ください。
まとめます。
従来のサポーターでは対応が難しかったスポーツ時や急性期の症状も、テーピングなら患部の状態に合わせて調整できます。
重要な3つのポイント(太もも前側の筋肉を柔らかくする、膝を動かしながら貼る、患部を押さえる)を意識し、6ステップの手順で正しく貼ることで、確実な症状改善が期待できます。
テープは3日程度もちますが、固定力を保つには運動ごとに貼り替えてください。
また、かぶれが気になる方は運動後すぐに外してください。
今回のテーピングをしても、オスグッドがなかなか改善しない場合もあると思います。
オスグッドには、自分ではわかりにくい姿勢の問題や色々な負担がかかっている場合もあります。
もし膝痛がなかなか解消されない時には、当院までご相談ください。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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