腰痛にお悩みの方は日本に約3000万人もいると言われています。
多くは30代以降の年代ですが、10代の学生にも多くみられる腰痛もあります。
中でもスポーツを頑張る学生に多くみられるのが腰椎分離症です。
この度のブログでは、学生に多い腰椎分離症を大人になって悪化させないための治療において、やってはいけないことをまとめてみました。
腰椎分離症でお悩みのお子さんやご家族の方のお役に立てると思いますので、ぜひご覧になってみてください。
また、腰椎分離症を防ぐために初期症状を見逃さないことも大事です。
こちらについても、別記事で書いていますので、併せてご覧になってみてください。
子供の腰痛|腰椎分離症の初期症状を見逃さないポイントと適切なセルフケア治療
腰椎分離症を治療しないと大人になって症状がひどくなる?
腰椎分離症は、腰の背骨である腰椎の一部にヒビが入り、悪化すると骨折して腰椎が分離することからその名前がついています。
腰椎分離症を引き起こす原因は、激しいスポーツなどで体を捻ったり反らせたりすることです。
一度の動作でケガをするように起こすわけではなく、反復的に繰り返し腰椎に負荷がかかることで、疲労骨折を起こしてしまい分離症を発症します。
中学生に多くみられ、ある統計ではスポーツをする学生の30〜40%に見られるというデータがあります。
症状は腰やお尻が痛くなり、坐骨神経痛のように足に痺れや痛みが出てくることが多く見られます。
症状が出始めの頃は、腰椎にヒビが入る程度で完全に骨折して分離しているわけではないので、運動を中止したりコルセットで安静を取ることで痛みや痺れなどの症状が緩和してきます。
学生時代にスポーツをバリバリやっていた方が腰痛を我慢していて気づかないうちに腰椎分離症になり、数年後に痛みがひどくなり検査をすると見つかる場合もあります。
この場合に多くみられるのは、腰椎が前にずれていく「すべり症」を併発する腰椎分離すべり症という状態です。
分離症をそのまま放置していると、ヒビ→骨折→前方にすべる→分離すべり症になり症状が悪化するという過程をたどります。
ヒビが入っている状態で腰に負担が来ないように気をつけると骨折を予防でき、前方にすべってしまうことも無くなるため、早い段階でスポーツに復帰することもできます。
つまり分離症初期のヒビの段階で治療を行ない、腰椎に無理が来ないように気をつけることで悪化するのを防ぐことができるということです。
次の項目では、分離症を悪化させないために大事なポイントをお伝えします。
腰椎分離症でやってはいけない症状を悪化させる3つのこと
それでは、腰椎分離症を悪化させないためにやってはいけないことを3つに絞ってお伝えします。
前提として、原因となったスポーツは休んでくださいね。
まず1つ目は「うつ伏せでスマホや本を見ないこと」です。
腰椎分離症は、腰の背骨がヒビが入ったり完全に骨折している状態を言いますが、折れている箇所はイラストにあるように背骨の後ろ側になります。
腰を反る姿勢になると、分離症を起こす箇所に負担がかかりやすくなるため痛みや症状が悪化しやすくなります。
反った状態でスマホや本を見ると、さらに腰を反った状態になりますのでうつ伏せ寝は避けてください。
ただし、睡眠中の寝返りは腰に負担がかからないように自然と体勢を変えますので、あまり気にする必要はありません。
2つ目は「体を急に捻ったりしないこと」です。
腰を反った場合と同じで、体を急に捻ることにより分離症を起こす箇所に負担がかかり、悪化しやすくなります。
もともと腰の背骨は前後に曲げ伸ばしできるようになっています。
例えば左に体を捻る動作の時には左右の関節の動きの違いで、左側が伸び右側は曲がりながら体を動かして行きます。
つまり捻る動作にも前後に動くことによって対応しているということです。
ですので、スポーツを始めてすぐに急に捻る動作を行うと、腰の動きがすぐに反応しづらいため背骨に負担がかかり分離症を悪化させてしまいます。
急な捻る動作を避けるのは、分離症になる前の予防にもなりますので徐々に行なっていくことが大事です。
3つ目に気をつけていただきたいポイントは「うつ伏せに寝て腰を後ろからマッサージしない」ことです。
分離症を起こす箇所は、腰の背骨どうしを繋いでいるところにあります。
大人になって悪化してしまう原因の一つにすべり症の併発があり、腰の背骨が前にずれてしまい痛みがひどくなることが多いです。
うつ伏せに寝て後ろからマッサージすることで腰の背骨が前にずれやすくなり、症状を悪化させてしまう場合があります。
マッサージやストレッチを行う場合は、腰ではなくお尻に行うようにすることで腰の負担が減りますので、おすすめです。
今回、3つのポイントに分けて腰椎分離症を悪化させないためにやってはいけないことをお伝えしました。
どのポイントも背骨が前にずれるのを防ぐことが大事になります。
この辺りのポイントに気をつけることで、腰椎分離症の悪化を防ぐことができますので、ぜひやってみてください。
(鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師 星野泰隆監修)
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